しあわせもの工房 Atelier · Japan 流山おおたかの森
R&D · 隊列搬送シミュレーション
R&D · Robotics · Noruno Atlas × Isaac Sim #1

Noruno Atlas-sim
カゴ車を、10台同時に運ぶ。

倉庫の中で、10台のロボットが一斉にカゴ車へドッキングし、運び、曲がり、置いて、戻る。その一連の動きを、実機を走らせる前にNVIDIA Isaac Simの中で組み上げました。映像は演出用のアニメーションではなく、物理演算で計算した動きをそのまま描画したものです。全台の位置・向き・間隔は数値でも記録し、揃っているかを確かめています。

Video 01 — 10台PV(2分)
横一列でドッキング → 後退搬送 → 全台同時に右折して縦一列 → 棚を置いて帰還。
Video 02 — Noruno Atlas PV
01 — Vision

10台の現場を、1台も用意せずに試す——Isaac Simで開発する理由。

台数を増やしたときの動きは、実機を並べる前に確かめたい。

物流倉庫で使われるカゴ車は、荷物を載せて人が押して運ぶのが一般的です。Noruno Atlasは、そのカゴ車の後ろから寄り付き、後退しながら運ぶ搬送ロボットです。

「ドッキングできるか」「カゴ車を引いてまっすぐ走れるか」「10台が同時に動いても揃うか」。こうした問いを実機で確かめるには、ロボットもカゴ車も広い場所も必要です。

私たちはこれをIsaac Simの中で先に通し、実機に持ち込む前に動きを固めていく進め方をとっています。

02 — Model

ロボットもカゴ車も、物理として組み上げる。

見た目だけでなく、重さ・車輪・関節まで再現するから、走りが再現できる。

ロボットとカゴ車は、Isaac Simのシーン形式(USD)をPythonスクリプトから直接組み立てています。形状だけでなく、各部品の質量・重心・車輪・関節・摩擦まで設定しているので、重いカゴ車を引いたときの挙動や、曲がるときのキャスターの動きまでシミュレーションに現れます。物理演算(PhysX)を毎秒60回まわし、ロボットの駆動も、カゴ車の重さも、そのつど計算して動かしています。

モデルがスクリプトなので、車輪やキャスター、バッテリーの配置を変えたいときは、数値を書き換えて組み直すだけ。設計の「もしこうしたら」を、その日のうちに走らせて確かめられます。

03 — Mechanism

背後から寄り付き、LEDで状態を示す。

カゴ車の背後に寄り付いて、そのまま後ろ向きに運ぶ。

Noruno Atlasは、カゴ車の背後に寄り付いてドッキングします。ドッキング中はLEDが赤、完了すると青に変わります。

搬送は「後退」で行います。ドッキングしたまま、ロボットがバックしてカゴ車を引いていきます。接近・ドッキング・搬送の切り替えは、すべてシミュレーション上の制御プログラムで動かしています。

カゴ車に接近するNoruno Atlas。LEDは赤(クリックで拡大)
接近中(LED赤)
ドッキングを完了したNoruno Atlas。LEDは青(クリックで拡大)
ドッキング完了(LED青)
04 — Demo

10台で、運んで、曲がって、置いて、戻る。

横一列から縦一列へ。隊列の形が変わる瞬間まで、揃って動く。

2分のシナリオは、次の流れで進みます。

時刻動き
0〜15秒10台がそれぞれのカゴ車の真後ろへ接近し、同時にドッキング
15〜53秒横一列のまま後退搬送(約18m)
53〜67秒全台同時に右折(弧を描いて90°)、横一列が縦一列に
67〜88秒縦一列で走行
88〜101秒停止して棚(カゴ車)を切り離し、ロボットが後退して離れる
101〜120秒その場で向きを変え、トラックバース側へ戻る
横一列で後退搬送する10台(クリックで拡大)
横一列での後退搬送
カゴ車を引く1台を横から見た様子(クリックで拡大)
カゴ車を引く1台に寄る
全台同時に右折する様子(クリックで拡大)
全台同時の右折
縦一列で走行する様子(クリックで拡大)
縦一列での走行
棚を切り離す様子(クリックで拡大)
棚の切り離し
棚を残して帰還する様子(クリックで拡大)
棚を残して帰還

全台が同じ半径の弧を描くので、6m間隔の横一列が、そのまま6m間隔の縦一列になります。10台の向きのずれは搬送中ずっと±1°以内、ロボットとカゴ車の間隔も最後まで一定でした。

05 — Development

Isaac Simだから、ここまで速く回せた。

「作る → 走らせる → 見る → 直す」を、1日に何周も。

台数を増やしても、準備は一行。
1台で動きを固めてから、シーンの台数指定を変えるだけで10台に広げられます。実機なら10台分のロボットとカゴ車、広い倉庫が必要な検証です。
全台の動きを数値で見られる。
位置・向き・速度・ロボットとカゴ車の間隔を、全台ぶん毎フレーム記録できます。映像で「揃って見える」だけでなく、数値で揃っていることを確かめながら進められます。
気になった瞬間を、何度でも同じ条件で再現できる。
同じシナリオは毎回同じように動くので、調整の前後を正確に比べられます。
画面なしで回して、映像まで自動で残る。
2分のシナリオはヘッドレス(画面表示なし)で数分で走り切り、撮影した連番画像から動画を合成します。カメラワークの調整まで含めて、このPVもシミュレーションの中で撮っています。
危ない試しも、仮想空間なら気にせずできる。
重いカゴ車を引いたままの旋回や速度の上げ下げも、ぶつけたり壊したりする心配なく試せます。
06 — Next

実機へ、そして現場へ。

シミュレーションで固めた動きを、実機の値で磨いていく。

Next 01
実機の測定値をモデルに反映し、シミュレーションと実機の動きを近づける。
Next 02
LiDARによる自己位置推定とつなぎ、目標地点への自律搬送へ。
Next 03
段差や傾斜、人や他の台車がいる環境での走行。

本記事の映像はシミュレーション上のものです。実機での性能を示すものではありません。

07 — Environment

使用環境。

  • NVIDIA Isaac Sim 6.0.1(Python 3.12)
  • 物理:PhysX(TGSソルバー)、60Hz
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti
  • OS:Ubuntu 24.04 LTS
  • モデル:USDをPythonから生成。動画はヘッドレス撮影した連番画像をffmpegで合成

現場に出す前に、一緒に試しませんか。

搬送ロボットの導入や台数を増やす検討を、実機より先にシミュレーションで確かめるお手伝いをしています。

お問い合わせ → Noruno Atlas を見る →