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Column · 高齢者とのコミュニケーション

スマホを持たない親との連絡手段、5つを比較する。

「電話に出ない」「スマホを渡したけど使われていない」——離れて暮らす高齢の親との連絡は、多くの家庭が同じ悩みを抱えています。この記事では、スマホを持たない・スマホが苦手な親御さんと連絡を取る5つの方法を、親側の操作負担・設定の手間・費用の3つの軸で比較します。

公開: 2026-07-03 · 執筆: しあわせもの工房(高齢者向けIoT端末の開発チーム)
ボタン型の連絡端末から流れる音声を聞く高齢者のイラスト
01 · Background

なぜ「親にスマホ」はうまくいかないのか。

連絡手段を選ぶ前に、まず押さえておきたいことがあります。高齢の方がスマホを使わなくなる理由は、大きく3つに集約されます。

1つ目は「手順の壁」。ロック解除→アプリを探す→タップ→相手を選ぶ——若い世代には無意識の操作でも、高齢者にとっては覚えるべき手順の連続です。一度間違えると「壊してしまったかも」という不安が先に立ち、触らなくなります。

2つ目は「環境の壁」。Wi-Fiの契約・設定・パスワード管理が必要な機器は、実家にネット環境がない時点で導入のハードルが一気に上がります。

3つ目は「習慣の壁」。どんな機器も、日常の習慣に組み込まれなければ使われません。「操作が1アクションで終わるか」が、継続利用の分かれ目になります。

この3つの壁を頭に置いて、5つの選択肢を見ていきましょう。

02 · Comparison

5つの連絡手段を一覧で比較。

方法 親側の操作負担 Wi-Fi / ネット環境 費用の目安 向いている家庭
① 固定電話 小(慣れている) 不要 既存回線ならほぼ0円 親が電話に出られる・耳が遠くない家庭
② シニア向けスマホ
(らくらくホン等)
大(手順の習得が必要) モバイル回線契約 本体+月額数千円 親に「使いたい」という意欲がある家庭
③ 見守りカメラ なし(置くだけ) Wi-Fi必須 本体数千円〜+回線費 安否確認だけが目的の家庭
④ スマートスピーカー
(Alexa等)
中(声かけの習得) Wi-Fi必須 本体数千円〜+回線費 実家にWi-Fiがあり、新しい物に抵抗がない家庭
⑤ ボタン型IoT連絡端末
(マゴスピーカー等)
小(ボタンを押すだけ) 不要(LTE内蔵) 製品による(要問い合わせ) 実家にWi-Fiがなく、双方向の連絡をしたい家庭

※費用は2026年時点の一般的な目安です。製品・キャリア・プランにより異なります。

03 · Details

それぞれの特徴と、つまずきやすいポイント。

Method 01

固定電話 — 一番慣れているが、「出ない」問題は解決しない

親世代が最も慣れている手段。追加費用も学習コストもほぼゼロです。ただし「かけたときに出ない」「耳が遠くなり呼出音に気づかない」という悩みには対応できず、安否確認の手段としては受け身です。詐欺電話への不安から、知らない番号に出ない習慣がついている方も増えています。

Good

  • 学習コストゼロ
  • 追加費用がほぼ不要

Weak

  • 出てくれないと安否が分からない
  • 親側から気軽に発信しづらい
Method 02

シニア向けスマホ — 「本人の意欲」がすべてを決める

らくらくホンなどのシニア向けスマホは、文字が大きく操作も簡略化されています。使いこなせればLINEやビデオ通話まで可能で、選択肢としては最も豊か。ただし「家族が持たせたい」だけで導入すると、高い確率で使われなくなります。本人に使いたい気持ちがあるかどうかを、購入前に必ず確認しましょう。

Good

  • 使えれば写真・ビデオ通話まで可能
  • 外出先でも連絡できる

Weak

  • 手順の習得が必要(挫折率が高い)
  • 月額費用が継続的にかかる
Method 03

見守りカメラ — 手軽だが、「見られる側」の気持ちに配慮を

安否確認だけが目的なら、最も手軽で安価な選択肢です。ただし2つ注意点があります。1つはWi-Fi環境が必須なこと。実家にネット回線がなければ、回線契約からのスタートになります。もう1つは「常に見られている」ことへの抵抗感。親御さんの尊厳に関わる問題なので、必ず本人の了解を得てから導入してください。

Good

  • 親側の操作が一切不要
  • 本体が安価

Weak

  • Wi-Fi必須
  • 監視されている感覚を嫌がる方が多い
  • 会話・連絡はできない(一方向)
Method 04

スマートスピーカー — Wi-Fiがある実家なら有力候補

「アレクサ、〇〇に電話して」と声で操作できるため、ボタン操作より習得しやすい面があります。呼びかけ機能を使えば、実家のスピーカーに直接つなぐことも可能。ただしWi-Fi環境と初期設定(家族側の作業)が必須で、「決まった言い方」を覚えてもらう必要はあります。聞き取りがうまくいかずに諦めてしまうケースも。

Good

  • 声だけで操作できる
  • 音楽・ラジオなど楽しみも増える

Weak

  • Wi-Fi必須+初期設定が必要
  • 言い方を覚える必要がある
  • 聞き取りエラーで挫折することも
Method 05

ボタン型IoT連絡端末 — 「押すだけ」に絞った専用機

「操作はボタンを押すだけ」に機能を絞った、高齢者専用の連絡端末です。私たちが開発に携わるマゴスピーカーはこのタイプで、LTE回線を内蔵しているため実家にWi-Fiがなくてもコンセントに差すだけで使えます。親がボタンを押すと家族のスマホに通知が届き、家族がアプリから送ったメッセージは音声になってスピーカーから流れます。人感センサによる安否通知も自動で行われるため、「連絡」と「見守り」を1台で兼ねられるのが特徴です。全国7自治体の高齢者見守り事業でも採用されています。

ボタン型IoT連絡端末の双方向のやり取りの仕組み。送信側がスマホから安否確認を送ると端末から音声で流れ、高齢者は無事ボタンを押すだけで返事ができる
双方向のやり取りのイメージ — 「ご無事ですか?」が音声で流れ、ボタンひとつで「無事です」が返せる(図は自治体利用の例)
マゴスピーカー本体。無事・助けて・聞くの3つのボタンだけのシンプルな操作面
ボタンは3つだけ。色と言葉で直感的に区別できる

Good

  • 操作はボタンを押すだけ(1アクション)
  • Wi-Fi不要・設定不要・工事不要
  • 双方向(親からも家族からも発信できる)
  • 安否見守りも自動で兼ねる

Weak

  • スマホのような多機能さはない
  • 専用機のため製品ごとの比較検討が必要
04 · How to choose

結論:3つの質問で選ぶ。

5つの方法に絶対の優劣はありません。ご家庭の状況を3つの質問に当てはめると、候補が自然に絞れます。

Q1. 親御さん本人に「新しい機器を使いたい」という意欲はありますか?
意欲がある → シニア向けスマホ(②)に挑戦する価値があります。意欲がない・過去に挫折した → 操作を覚える必要がない ③④⑤ から選びましょう。
Q2. 実家にWi-Fi(ネット回線)はありますか?
ある → 見守りカメラ(③)やスマートスピーカー(④)が候補に入ります。ない → 回線契約から始めるのは負担が大きいため、LTE内蔵のボタン型端末(⑤)が現実的です。
Q3. 「見守りたい」だけですか? それとも「やり取りしたい」ですか?
安否が分かれば十分 → カメラ(③)が最安です。声や気持ちのやり取りもしたい → 双方向の ①②④⑤ から。親からの発信のしやすさを重視するなら ⑤ です。
05 · FAQ

よくある質問

Q. 実家にWi-Fiがない場合、一番手間の少ない方法は?
A. LTE回線内蔵の機器を選ぶことです。回線契約・工事・設定が不要で、コンセントに差した時点で使えます。ボタン型IoT端末(⑤)の多くがこの方式です。
Q. 認知症の親でも使える連絡手段はありますか?
A. 操作手順を記憶する必要がある機器(スマホ等)は困難になっていきます。「押すだけ」「置くだけ」の機器が現実的で、マゴスピーカーは自治体の見守り事業で認知症の方にも使われています。症状の程度によりますので、ケアマネジャー等ともご相談ください。
Q. 敬老の日や誕生日のプレゼントにするなら、どれがいいですか?
A. プレゼントの場合は「贈った後に本人が設定できるか」が最大の関門です。設定不要でそのまま使い始められる機器(⑤のLTE内蔵型)は、郵送で贈ってそのまま使ってもらえるためプレゼントに向いています。

Next Step

「うちの場合はどれがいい?」も、お答えします。

この記事を書いたのは、高齢者向けIoT端末「マゴスピーカー」の開発チームです。
ご家庭の状況に合わせた選び方のご相談も、製品のご質問も、お気軽にどうぞ。無料です。

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